こばやしのヒト
宮崎県小林市で徳永農園を経営する徳永篤さんは、果物の生産・加工・販売まで幅広く手がける農家さん。
農家歴は今年(2018年)で4年になる徳永さんに、自身と徳永農園のこれまでの歩みを教えていただきながら、その行動力の源を伺いました。
加工食品会社でのヒット経験が開業のきっかけ
── 小林で農業をすることになったのは、どんな理由からですか?
徳永 父が病気になって倒れてしまったことがきっかけで地元に戻らなくてはいけなくなったんです。正直、戻りたいとは思っていなかったんですけど、そのときはやむを得ず。
それで父の紹介で入った会社が、地元の加工食品の会社でした。その会社でたまたまクライアントさんと一緒につくった柚子ピールの加工商品が全国的にすごくヒットしたんです。
そのヒットがきっかけで自分に自信がついて。
そこで自分で何かやってみようと思って始めたのが、徳永農園。
上手くいかないからこそ飽きない
─ 徳永農園がこれから挑戦してみたいことを教えてください。
徳永 まずは先ほどもお話しした、カフェを始め、フルーツジュースを提供すること。
あとは、観光農園も始めてみたいなと思っています。
徳永農園のある場所は小林市の中心地から離れた山奥で、僕も、こんなところに人は来ないだろうな、とずっと思っていました。
徳永 けれども今年の春先、知人経由でドイツ人の方々から「徳永農園でキャンプをしたい」というお話をいただいて。
それでキャンプを許可したら、けっこう楽しんでくれたみたいで。山菜採りや筍採りを体験してもらったり、夜は彼らは一日中歌っていましたよ、音を気にしなくていいからですかね(笑)。
とにかくそれがきっかけで、考え方が変わったんです。やり方によってはこの農園もひとが来る場所になれるんじゃないかって。
やりたいことは尽きないんですけど。農家というものを飽きずにやっていけるのは、やっぱり上手くいくことと上手くいかないこと、ちゃんと両方あるからだと思うんですよね。
徳永篤さん
宮崎県小林市で生まれ育つ。高校卒業後は地元の食肉センターに2年間勤務したのち、上京。2004年にUターンしてからは小林市の加工食品会社・須木特産で工場長として働く。2014年に徳永農園を開業。