こばやしのヒト
どんな業界にいて、どんな仕事をしていても、「会社だからできること」「個人だからできること」がそれぞれあるのだと思います。
さて、私がこんなことに気づいたのは、宮崎県小林市に暮らす高津佐雄三さんという男性を取材してからでした。
高津佐さんは、もともと高津佐園芸という菊農家を家族で営んできた方です。
見えない部分にもこだわりがある。高津佐園芸の電照菊
うちはもともと、専業の菊農家なんです。
ラナンキュラスが流行り始めた頃にラナンキュラスの栽培もやってみたりしたんですけど、4年前にこのハウスを買ってからは、再び菊一本でやっています。
夏は4種類、冬は5種類、年間で9種類の菊を通年で栽培しています。
個人経営から法人にしたのは、ほしいと言ってくれるひとに届けるため
そんな高津佐園芸を個人経営から法人化しようと思ったのは、ひとを雇っていこうと決めたから。
雇用を増やして規模を拡大すれば、お客さんの気持ちに応えることができる。また、労働体制や研修制度の面などで雇ったひとと信頼関係を築いて働いてもらえる環境をつくることが、これからの農業を志すひとたちにとって、とても大切なことのように思えたからなんです。
あかるい農村をつくりたい
これからやりたいのは研修生をうちに入れて、未来の農業を考える経営者を育てることです。
今農業を志している人たちが、これからどうなっていきたいのかを考え、それをちゃんと実践していくことがだいじなことのように感じます。
このハウスを買ったときに、「あかるい農村をつくろう」と決め、それは今でも変わりません。やりたい農業をみんなが実践できている、それがあかるい農村への一歩なんじゃないかと思うんです。
高津佐雄三さん
株式会社はなごころ代表取締役。宮崎県小林市の菊農家で生まれ、短大卒業後は愛知県の大手自動車メーカーやうなぎの選別所に勤務。Uターン後就農し、家族で実家の菊農家を営む。「みやざき次世代農業トップランナー養成塾」を卒塾後、2017年の7月に実家の高津佐園芸を法人化する。