『河童(がわじろ)と相撲(すも)とい』
明治の中期、栗須に市来清市という人がいた。たいへん相撲好きで、近郷近在の人とよく相撲を取っていた。
彼が16歳のとき、ついに東京へ出て、東京相撲の仲間入りをすることができたが、いかんせん、身体が小柄なため、雄図空しく数年後に故郷に帰ってきた。
しかし、生来の相撲好きで、だれ彼となく相撲を挑んでいたが、ひょいとしたことからガワジロと相撲を取ることになった。
河童は「相撲のとき頭には手をかけるな」と言ったということである。「河童は1000匹連れ」言われるとおり、入れ替わり立ち代わり出てきて、いつまでたっても勝負がつかなかった。
その場所は、栗須小学校の下から釘松方面に通ずる道路下の田の横で、城の下川沿いの洞窟であったという。
出展
野尻町史
カテゴリー名:昔話・民話